小児泌尿器科

小児泌尿器科

小児泌尿器では、お子さんによく見られる腎臓や膀胱、尿道などの病気を幅広く診療します。この時期は、夜尿症などによって集団生活の場(幼稚園や小学校など)で支障をきたすお子さんもいます。当院では、こうした泌尿器のトラブルについても対応いたします。下表のような症状がみられたときは、お気軽に当院をご受診ください。

このような症状はご相談ください

男の子
  • 健康診断などで血尿や蛋白尿を指摘された
  • おちんちんを痛がる
  • おちんちんの先が赤く腫れている
  • おちんちんの皮がむけない
  • おちんちんの色や臭いが気になる
  • 小学生になったのに、おねしょが治らない
  • 昼間におしっこを漏らす
  • おしっこの色や臭いが強烈だ
  • おしっこの回数が多い
  • おしっこの回数が少ない

など

女の子
  • 健康診断などで血尿や蛋白尿を指摘された
  • 股の部分を痛がる
  • おしっこがほとんど出ない
  • おしっこに血が混じっていた
  • 小学生になったのに、おねしょが治らない
  • 昼間におしっこを漏らす
  • おしっこの色や臭いが強烈だ
  • おしっこの回数が多い
  • おしっこの回数が少ない

など

夜尿症(おねしょ)

乳幼児期には誰もがおねしょをしますが、年齢とともに少なくなっていきます。幼児期を過ぎても夜間、睡眠中に無意識に排尿しているときは、「夜尿症」として治療の対象となります。なお、小学生になってもおねしょをするお子さんは一定数いると言われており、本人は人知れず悩み、自信を無くしていることも少なくありません。そのようなときは、お早めに当院をご受診ください。

なお、夜尿症の原因は大きく分けて、「夜間尿量の増加」と「夜間膀胱容量の減少」の二つが考えられます。前者の場合は、寝る前に水分をとり過ぎることにより、寝ている間のおしっこの量が普通より多くなり、おねしょをしてしまいます。後者の場合は、寝ている間に膀胱に貯められるおしっこの量が少なすぎるため、ちょっとの水分量でもおねしょをしてしまうのです。したがって、夜尿症の治療としては、夜間尿量を減らすこと、および夜間膀胱容量を増やすこと、ということになります。具体的には、適切なお薬を使用したり、夜尿アラームを活用することにより、おねしょを改善させます。実際、治療によって症状が改善すると、自分に自信がもてるようになり、性格的にもみるみる明るくなっていくことが多いものです。

水腎症

腎臓で作られた尿は、腎盂に溜まっていきます。その腎盂から尿は、尿管、膀胱、尿道を経由して体外へ排出されます。水腎症になると、何らかの原因で尿路通過障害が起きてしまい、尿管などに尿が流れていかなくなります。これにより、腎盂や尿管が尿でいっぱいになってしまい、脇腹の痛み、吐き気、尿量の減少、倦怠感などの症状が起こります。治療に関してですが、軽度であれば自然に治癒することも多いです。しかし、腎機能が低下しているとき、痛みなどの強い症状があるときは手術療法となります。

陰嚢水腫

陰嚢水腫は、陰嚢の中に水が溜まってしまう病気です。これにより、陰嚢が膨らんだり、左右の大きさに違いが生じたりします。通常、痛みは伴いません。なお、小児にみられる陰嚢水腫は、「交通性」が多いです。これは、本来なら閉じているはずの腹膜の先が閉じなかったことにより、腹膜と陰嚢の間がつながっています。そのため、腹水が漿膜に溜まりやすくなります。自然に治ることが多いため、積極的な治療を行わず、しばらく経過観察することも多いです。しかし、腎機能が低下しているとき、痛みなどの強い症状があるときは手術療法も検討することがあります。